「ITコンサルとSIerって何が違うの?」、「自分はどっちが向いているんだろう?」
IT業界には多くの職種があります。
その中でも注目される「ITコンサル」と「SIer(システムインテグレータ)」。
どちらも企業のIT支援を行う仕事ですが、具体的な業務内容や求められるスキル、年収、キャリアパスに大きな違いがあります。
本記事では、その違いについて詳しく解説します。
僕自身は、27歳の時にメーカーからITコンサルに転職しました。その時の方法は以下の記事で解説しています。
参考:27歳未経験でメーカーからコンサルに転職した方法【実体験】
ITコンサルとSIerの違いとは?
以下の観点からITコンサルとSIerの違いを解説します。
- ITコンサルとSIerの定義
- 働き方や必要なスキルの違い
- 年収やキャリアの違い
ITコンサルとSIerの定義
ITコンサルとSIerは目的と役割が違います。
- ITコンサル:ITに関わる顧客の課題の解決策を提示
- SIer:システムの設計・開発・導入を支援
ITコンサルが課題解決に重きを置いているのに対して、SIerは実際のシステム導入がメインとなっています。
最近では、両者がお互いの領域にまで支援範囲を広げつつありますが、基本的な役割の違いは上記と理解しておけばいいでしょう。
働き方・スキルの違い
ITコンサルとSIerでは、働き方や求められるスキルに明確な違いがあります。
ITコンサルは戦略的な思考と分析力が重要であるのに対して、SIerは技術力とプロジェクトマネジメント力が求められます。
ITコンサルは、主に顧客のIT戦略に関わります。
具体的にはビジネスの課題を分析し、ITによる解決策を提案します。
例えば、ある企業が新しいシステムを導入する場合、戦略を踏まえてどのようなシステムが最適か提案するのがコンサルの仕事です。
そのため、顧客とのコミュニケーションが多く、プレゼンテーションや報告書を作成する機会が多いです。
一方、SIerは、システムの設計、開発、運用が中心です。
具体的には、プログラミング開発やプロジェクト全体の進行管理を担います。
このようにITコンサルとSIerには働き方の違いがあり、それぞれのスキルセットに応じて選ぶことが大切です。
年収やキャリアの違い
ITコンサルとSIerの年収やキャリアには大きな違いがあります。
一般的に、ITコンサルの年収はSIerよりも高い傾向があります。
理由は、コンサルが企業にとってインパクトの大きな経営判断に関わるためです。
年収のレンジとしては、ITコンサルの平均年収が概ね800万円以上と言われているのに対して、SIerの平均年収は600万円以上のイメージです。
ただもちろん個別の企業の規模にもよりますし、役職が上がれば年収が逆転することもあります。
その後のキャリアについてはそれぞれ様々な可能性がありますが、特にITコンサルは上流から下流まで、幅広い職種に転職できる可能性があります。
ITコンサルとSIerに向いてる人の違い
ITコンサルとSIerのどちらに向いているか迷う人もいます。
それぞれ解説します。
- ITコンサルに向いてる人
- SIerに向いてる人
ITコンサルに向いてる人
ITコンサルに向いている人は、主体性があり、困難な課題に挑戦できる人です。
ITコンサルは、ITで顧客のビジネス課題を解決する役割を担います。
高い専門性と柔軟な思考力で、企業が抱えるあらゆる課題に取り組む必要があります。
そのためには、最新の技術トレンドの理解だけでなく、顧客と密に粘り強くコミュニケーションを取る必要があります。
よく、「ITコンサルはストレスが多い」と言われますが、その分やりがいも大きいです。
自ら課題を見つけ、解決へと導きたい人におすすめの職業です。
SIerに向いてる人
SIerに向いているのは、ITスキルがあり、チームプレーが好きな人です。
SIerはシステムの設計開発・導入のためのIT知識や経験が求められます。
例えば、サーバー設定やネットワーク構築など、具体的な技術課題に興味がある人にピッタリです。
またSIerの仕事は大人数で取り組むことが多く、チームプレーが求められます。
具体的には、他のエンジニアや顧客とのコミュニケーション力が頻繁に生じます。
そのため、多くの人と協力して目的を達成したい人に向いていると言えます。
SIerからITコンサルへの転職
実はSIerからITコンサルに転職する人は多いです。
そのような状況について、以下の観点から解説します。
- 転職者は年々増加
- ITコンサルに転職しやすい理由
- 転職エージェントの活用が有効
転職者は年々増加
SIerからITコンサルへの転職者は年々増加しています。
主な理由として、キャリアアップや年収アップが挙げられます。
ITコンサルはプロジェクトの戦略や企画段階から関与するため、より幅広い知識や経験が求められます。
このような学びや成長の機会は、キャリアアップを目指す転職者にとって魅力です。
また前述の通り、年収アップも見込めるため、近年転職者が増加傾向にあるのです。
ITコンサルに転職しやすい理由
SIerからITコンサルへの転職は、十分に可能性がある選択肢です。
主な理由は2つ。
- 必要なスキルや経験が似ている
- ITコンサル業界の人材不足
例えば、SIerとしてシステム開発やプロジェクト管理の経験がある場合、それらのスキルはITコンサルの業務でも活かせます。
ITコンサルはより上流で関わるケースが多いですが、実際の開発現場の経験があることで、より現実的かつ実行力のあるアドバイスを行うことができます。
そのため、このような経験は転職時にも有利に働きます。
またITコンサル業界は、慢性的な人材不足に悩んでいます。
そのため、経験のあるSIerが転職できる可能性がより高まっているのです。
転職エージェントの活用が有効
ITコンサルに転職するなら、転職エージェントを活用するのが効果的です。
特にIT業界に特化したエージェントは、ITコンサルに関する非公開求人を多く持っています。
そのため、あなたに本当に合った会社を見つけてもらえる可能性も高まります。
その他にも書類選考や面接の対策も支援してくれるので、転職活動の時間と労力を大幅に節約できます。
僕自身がITコンサルに転職した際のエージェント活用術は、以下の記事で解説しています。
参考:27歳未経験でメーカーからコンサルに転職した方法【実体験】
ITコンサルとSIerに関するよくある質問
ITコンサルとSIerに関するよくある質問にお答えします。
ITコンサルはやめとけって本当?
ITコンサルは成長機会ややりがいがあるなど、魅力も多い職業です。一方で一部の人から「やめとけ」と言われる理由としては、仕事が忙しい、求められる能力が高い、IT開発の実務経験が得られない、といった点が挙げられます。
ITコンサルのSIer化が進んでる?
SIer化が進んでいるのは事実です。具体的には、近年ITコンサルの仕事は、実装よりにまで拡大しています。ITコンサルは元々、ビジネスの問題を解決するためのIT戦略や方針をアドバイスする役割でした。ただ最近では、顧客の多様なニーズに応えるため、実際のシステム導入や運用支援にも関わることが増えているのです。
SIerからITコンサルに転職する人の理由は?
理由としてよく挙げられるのは、成長機会やキャリアアップです。SIerとして働くと、主にシステム開発や運用をメインに携わります。そんな中で、「もっと幅広いビジネスに関わりたい」という欲求が芽生え、ITコンサルに転職する人も少なくありません。
まとめ:ITコンサルとSIerは違う良さがある
本記事では、ITコンサルとSIerの違いや、それぞれに求められるスキル、年収、キャリアなどについて解説しました。
ITコンサルとSIerには、それぞれ向き不向きもあります。
自分のスキルや経験を踏まえ、今後のキャリアの候補にしていただければと思います。
僕自身27歳の時にITコンサルに転職しました。その時の辛かったことなどを以下の記事にまとめています。
参考:中途でコンサルは辛い?【27歳でコンサルになった僕が解説】