「コンサルは現場を知らないとダメ?」、「机上の空論ばかりになりそう」
年々企業からのニーズが高まっているコンサルという仕事。
一方で、現場経験がないことで、顧客とのコミュニケーションや提案において問題が発生することもあります。
本記事では、現場を知らないコンサルが抱える3つの問題点について解説します。
僕自身が27歳の時にメーカーからコンサルに転職した時の経験を以下の記事で解説しています。
参考:27歳未経験でメーカーからコンサルに転職した方法【実体験】
現場を知らないコンサルの3つの問題点
現場を知らないコンサルが抱える問題点は主に以下の3つです。
- 顧客と会話が通じない
- 提案内容が浅い
- 施策の実行がうまくいかない
顧客と会話が通じない
現場の知識がないと、顧客と深い話ができません。
その結果、良い信頼関係も築けないのです。
例えば、製造業の顧客が特定の工程で困っている場合、現場で使われる専門用語や、課題が生じる具体的なシチュエーションを理解していないと、適切なアドバイスは難しいです。
その結果、「このコンサルは何も分かっていないな」と思われてしまいます。
顧客が求めているのは、共感と具体的な解決策です。
そのためには、時に現場に関する深い会話が必要なのです。
提案内容が浅い
現場を知らないコンサルの提案内容が浅くなりがちです。
インターネットで収集したデータなどに基づき、机上検討を行うことになり、結果として現実と乖離した提案になります。
それでは、現場の具体的な問題点やニーズに対応できません。
企業にとっては、実行可能性が低く、十分な効果も期待できないのです。
「机上の空論」とよく言われますが、まさにその通りです。
具体的な現場の課題を知らないと、どんなに精緻な計画を作っても、実行に移した時に問題が生じます。
もちろん、インターネット上のデータも重要ですが、良い成果をもたらすには、現場のリアルな状況把握が必須なのです。
施策の実行がうまくいかない
現場の知識がないと、提案した施策もうまくいきません。
現場を知らないコンサルの提案は、どうしても理論的な、頭でっかちな解決策になりがちです。
例えば、現場の効率化を図るために最新の生産自動化ソリューションを導入する提案があったとします。
しかしいざ、施策として実行するとなると、現場の人が使いこなせなかったり、既存のオペレーションにフィットしないことがあります。
確かに、世の中の最新動向を把握していることは、コンサルの価値の1つです。
ただ、提案を絵に描いた餅で終わらせないためにも、現場のことは熟知している必要があります。
現場を知らないコンサルの解決策
現場を知らないコンサルが課題を解決する方法は以下です。
- 常駐型プロジェクトへの参画
- 現場職に出向する
- 現場経験者をプロジェクトに入れる
常駐型プロジェクトへの参画
常駐型プロジェクトへの参画は効果的です。
客先に滞在し、現場のリアルな状況を直接把握することが可能になるからです。
客先に数か月にわたって常駐すれば、現場の詳細な業務内容や業務課題を肌で感じることができます。
その結果、机上の空論ではなく、実際に役立つ具体的な提案ができるのです。
一部では「常駐型プロジェクトはコスパが悪い」と言う人もいます。
しかし、そこは急がば回れ。
現場を深く知ることが自分にとっても、顧客にとってもプラスになります。
現場職に出向する
現場職に出向すると、直接現場の経験を積むことができます。
例えば、製造業のコンサルであるならば、生産管理や品質保証など、現場のオペレーションを自ら体験することが有効です。
現場で生じている課題やニーズを直に知ることで、コンサルに戻ってからも深い提案ができるようになります。
一時的に本業から離れることに対する懸念や負担もあるかと思います。
しかし、それ以上に得られる経験と知識は大きく、その後のキャリアの財産になります。
現場経験者をプロジェクトに入れる
自分で現場経験を積むのが難しい場合は、プロジェクトメンバーとして現場経験者を迎え入れましょう。
コンサルはプロジェクトメンバー全員で成果を出せばOKです。
あなたがプロジェクトマネージャーであれば、全体のマネジメントを行いつつ、現場に近い取り組みは経験者に任せましょう。
もちろん、チーム内で経験やノウハウを共有することも重要です。
そのように取り組みを進めることで、あなた自身も徐々に現場の感覚をつかめていけるでしょう。
現場経験者にコンサル転職がおすすめな理由
現場経験者にコンサル転職がおすすめな理由は以下です。
- 選考で有利
- 転職後に活躍しやすい
- コンサル業界は人材不足
選考で有利
現場経験者は、経験をアピールすることで選考を有利に進めることができます。
転職活動で成功するには、企業が求めるスキルや経験を有しているが必要があります。
例えば、工場現場の経験を通じた製造プロセスや品質管理の知識を持っているとします。
このような人はコンサル転職後も、製造業の顧客に説得力のある提案ができます。
そのため、現場経験が豊富であることは他の転職者との差別化に繋がるのです。
転職後に活躍しやすい
現場の経験はコンサルに転職後も大いに役立ちます。
現場の課題やニーズを具体的に把握していることで、顧客に対して実践的なアドバイスができます。
例えば、自動車メーカーで工程管理をしていた人であれば、生産現場のプロセスのアドバイスができます。
現場での失敗や成功の体験談を基に、他のコンサルにはできない説得力のある提案ができます。
また現場の専門用語やトレンドを理解しているため、顧客と共通の話題が増え、信頼関係を築きやすくなります。
このように現場での経験を活かすことで、コンサルとしてのキャリアアップもしやすくなります。
コンサル業界は人材不足
コンサル業界は成長市場であり、人材不足に陥っています。
なので、多くの人にコンサル転職のチャンスが広がっています。
近年競争環境の激化に伴い、経験豊富な専門家への需要が高まっています。
特にデジタルトランスフォーメーション(DX)の分野では、その傾向が顕著です。
そのような状況を背景に、コンサル会社は多くの人材を集め、世の中のニーズに合った支援を拡大しようとしています。
なので今の時代は、コンサルに転職するベストなタイミングだと言えます。
現場を知らないコンサルに関するよくある質問
よくある質問にお答えします。
現場を知らないコンサルは役に立たない?
現場を知らないコンサルが必ずしも役に立たないとは言い切れません。
プロジェクトの特性次第では、現場の経験がなくても問題にならないケースもあります。特に市場調査など、情報収集力や分析能力が求められるプロジェクトでは、現場の経験よりも理論的なアプローチが重要です。
コンサルにメーカー出身者は多い?
メーカー出身者は比較的多いです。メーカーの製造現場を知っているコンサルは、転職後も具体性のある提案を通じて付加価値を発揮できます。
コンサルは転職しやすい?
本文でも述べたとおり、人材不足に陥っているコンサル業界は十分に転職のチャンスがあります。また特別なスキルがなくても、プレゼンテーション力やコミュニケーション力など、汎用的なスキルが重視されるため、未経験者も転職しやすいのが特徴です。
まとめ:現場を知ってるコンサルは強い
本記事では、現場を知らないコンサルの問題点とその解決策、現場経験者がコンサル転職で有利になる理由について解説しました。
現場の経験がある人は、他のコンサルと一線を画す強みを発揮することができます。
一方で、コンサル業界には様々な役割があり、経験の有無にかかわらず多くの人に転職のチャンスがあります。
興味を持った方は、ぜひ転職先の候補として検討してみてください。