「シンクタンクってなんかかっこいい」、「でもやっぱりハードなのかな…?」
「シンクタンク」…種々の分野の専門家を集め、国の政策決定や企業戦略の基礎研究、コンサルティングサービス、システム開発などを行う組織(コトバンク)
シンクタンクは、いわゆるコンサルと近い職業です。
参考:シンクタンクとは何か簡単に解説!【コンサルとの違いは?】
違いとしては、世の中の調査分析や政策提言を中心に行っている点が挙げられます。
多くの人が魅力を感じる仕事内容である一方、激務と言う人もいます。
本記事では、実態について詳しく解説します。
僕自身、27歳の時にシンクタンクに近いコンサル会社に転職しました。働いてみた実態について以下の記事で紹介しています。
参考:中途でコンサルは辛い?【27歳でコンサルになった僕が解説】
シンクタンクは激務?離職率は?
シンクタンクの労働環境について以下解説します。
- シンクタンクの労働時間
- シンクタンクの離職率
- シンクタンクの激務さに関する生の声
シンクタンクの労働時間
シンクタンクは労働時間が長い傾向があると言われています。
実態を把握するため、五大シンクタンクと呼ばれる以下5社の平均残業時間を調べました。
会社名 | 平均残業時間(Openwork調べ) |
---|---|
三菱UFJリサーチ&コンサルティング | 46.4時間 |
野村総合研究所 | 44.5時間 |
三菱総合研究所 | 40.8時間 |
日本総合研究所 | 40.4時間 |
みずほリサーチ&テクノロジーズ | 34.3時間 |
メーカーなどの他業界と比べると、やや長めですね。
原因としては、データ収集や分析等に時間がかかり、締切に追われることなどが挙げられます。
例えば、特定の政策に関するレポートを作成する場合、関連する資料を集めるだけで数週間かかる場合もあります。
また最終レポートを完成させるには、さらに細かな分析やレビューが必要です。
政策提言という重要なテーマに取り組んでいるだけに、自然と労働時間が長くなってしまうのです。
参考:コンサルは残業時間が多い?【リアルな残業時間や残業代の有無】
シンクタンクの離職率
シンクタンクの離職率は、他の業界と比べて特段大きな違いはありません。
2016年時点で、シンクタンクの3年後離職率は12.3%となっています。(他業界含む平均値は11.1%)
(東洋経済オンライン)
労働時間は長めなものの、その分やりがいと成長機会があります。
世の中への影響力大きく、刺激的なプロジェクトも多くあります。
更なるキャリアアップを求めての退職など、ポジティブな理由の離職者も多いです。
シンクタンクの激務さに関する生の声
シンクタンクの忙しさに関する世間の声を集めました。
全体的に「忙しいけど、超激務ってほどではない」という、平均残業時間の実態と合った声が多く見られました。
これらの声は、シンクタンクの仕事が単に激務というわけではなく、その分魅力があることを示しています。
決して楽な仕事ではありませんが、得られるものも大きいのです。
シンクタンクが激務な理由
シンクタンクが激務とされている理由は以下です。
- 調査業務に終わりがない
- 仕事の水準が高い
- シンクタンク会社が少ない
調査業務に終わりがない
シンクタンクの主たる業務である調査業務。
これは長時間労働の原因の1つです。
というのも、調査業務には終わりが見えづらいという特性があるのです。
調査の中では、最新のデータや情報を収集し、それらを分析して報告書にまとめます。
ただし、どこまでデータを集めるか、どこまで分析を細かく行うか、といった点には明確なゴールがありません。
そのため、こだわりが強いと延々と作業が終わらないのです。
仕事の水準が高い
シンクタンクの人は、高い水準で仕事を行っています。
今後の国の方向性を決める政策提言。
そのための調査・分析ということもあり、強い責任感の下、こだわりを持って働いています。
納得がいくまで、繰り返し作業の改善を行った結果、長時間労働になるのです。
このようにシンクタンクの仕事は大変ですが、その分得られるものも大きいです。
シンクタンク会社が少ない
シンクタンクが忙しい原因の1つとして、シンクタンク会社の数の少なさが挙げられます。
実際、2018年時点のシンクタンク会社の数は128社とされています。
ちなみに国内の製造会社の数は243,043社と言われており、その少なさがうかがえます。
このように業界としての会社数が少ないため、特に大手のシンクタンク会社には仕事が集中します。
その結果、どうしても社員の労働時間は増加するのです。
シンクタンクに向いている人とは?
シンクタンクに向いている人の特徴や転職方法をご紹介します。
- 必要なスキルと経験
- 向いている人の性格
- シンクタンクに転職する方法
必要なスキルと経験
シンクタンクで求められるスキルとしては、調査分析力が挙げられます。
複雑・膨大なデータを読み解き、分析し、レポートにまとめる必要があります。
加えて、優れたコミュニケーションスキルも重要です。
発注元に対して、調査結果を分かりやすく説明し、レポートを納品する必要があるからです。
このように必要なスキルや経験は、一般的なコンサル業務と共通していると言えます。
向いている人の性格
シンクタンクで活躍する人は、総じて好奇心が旺盛です。
シンクタンクでは、常に新しい情報を追求しなければなりません。
そのため、知識を収集し、深めることを楽しめる人が向いています。
またその他には、問題解決が好きな人も向いています。
複雑な問題に直面しても粘り強く、自分なりの仮説を立てて取り組む。
そのような人は、やりがいを持って働けます。
シンクタンクに転職する方法
シンクタンクに転職することはできるのか。
結論、他の企業と同様、十分に転職のチャンスはあります。
基本的にシンクタンク業界は、コンサル業界と類似しています。
そのため、人材の流動性が高く、転職による人の出入りはごく一般的です。
転職活動を成功させるポイントは、自分の専門性を明確にアピールすることです。
シンクタンクでは特定分野の深い知識や分析力を求められることが多いため、自分の強みをしっかりアピールしましょう。
そうすることで面接官も入社後の活躍後のイメージが湧き、採用の可能性がアップします。
僕が27歳の時に完全未経験でシンクタンクに近いコンサル会社に転職した方法を以下の記事で解説しています。
参考:27歳未経験でメーカーからコンサルに転職した方法【実体験】
激務と言われるシンクタンクに関するよくある質問
シンクタンクに関するよくある質問にお答えします。
シンクタンクとコンサルの違いは?
シンクタンクとコンサルの違いは大きく2つあります。
まずは目的です。シンクタンクが主に政策提言や研究を行うのに対して、コンサルは顧客のビジネス課題の解決が目的です。そのため、シンクタンクはより長期的な視点に立って働くことが多いです。
次に業務内容については、シンクタンクは調査業務が主体となります。一方でコンサルも調査は行いますが、より課題解決に向けた個別の戦略立案や課題解決のためのソリューション提案などに重きを置いている点が異なります。
シンクタンクに学歴は必要?
もちろん会社によりますが、特に新卒の場合は一定程度学歴も見られると思っておいた方がよいでしょう。というのも入試後に高い水準で業務を行う必要があるため、修士卒を多く採用する企業が多い傾向があります。
未経験でもシンクタンクに転職できる?
未経験でもシンクタンクに転職できる可能性は十分にあります。シンクタンクでは、幅広いスキルや視点が求められます。特に、調査能力や分析力、コミュニケーション能力は重要になりますが、これらは職種を問わず、社会経験を通じて磨けるものです。なので、多くの他業界から未経験社が転職している業界となっています。
まとめ:シンクタンクは比較的激務だが、離職率は平均的
本記事では、シンクタンクの働き方の実態や離職率などについて解説しました。
シンクタンクにも向き不向きがありますが、適性がある方には魅力的な職業です。
興味がある人はぜひ、シンクタンクを転職先の候補として検討いただければと思います。