「ITコンサルと営業って似てる気がする…」、「自分にはどっちが向いてるんだろう?」
ITコンサルとIT会社の営業職。
どちらも顧客のニーズを汲んで解決策を提示する、共通点が多い職種と言えます。
ただ実際には、役割や必要なスキルが大きく異なります。
本記事で具体的に解説します。
27歳の時にITコンサルに転職した僕の実体験については、以下の記事で解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
参考:中途でコンサルは辛い?【27歳でコンサルになった僕が解説】
ITコンサルと営業の違いは?
以下の3つの観点から、ITコンサルと営業の違いについて解説します。
- 役割
- 業務内容
- 労働時間・給料
役割の違い
ITコンサルと営業の役割違いは以下です。
- ITコンサル:
IT戦略の立案や新しいシステムの導入など、IT技術を活用した課題解決 - 営業:
顧客の課題を解決できる自社製品・サービスの紹介・提案
ITコンサルは専門的なIT知識を用いて、顧客のあらゆる課題解決に取り組みます。解決のために必要なら他社の製品を紹介したり、協業することもあります。
一方、営業は顧客が直面している課題にマッチした自社製品やサービスを提案し、課題解決へと導きます。
営業が解決策の提案に重きを置いているのに対し、ITコンサルは最終的な課題解決まで担うのです。
例えば、顧客が業務効率を向上させたい場合、ITコンサルは業務プロセスの分析から始め、最適なシステム導入やデジタル施策の実施を行います。
これに対して営業は、自社製品を用いた解決策を提案し、その効果を説明することに重きを置きます。
両職種とも、顧客への深い理解とそのニーズに応えるための提案力が必要な点は共通しています。
一方で最終的な解決の方法が大きく異なるのです。
業務内容の違い
ITコンサルタントと営業は、業務内容においても明確な違いがあります。
ITコンサルの業務 | 営業の業務 |
---|---|
顧客ニーズの把握 状況分析 解決策の提案 解決策の実行支援 等 | 顧客ニーズの把握 自社製品の選定 見積もり 解決策の提案 等 |
例えば、ITコンサルは顧客の現状を把握するため、データ分析や最新のトレンド技術等の調査を行った上で、解決策を提案、実行します。
一方、営業は顧客のニーズをヒアリングした上で顧客に合った自社製品を紹介します。
顧客のニーズに合った解決策を提案する点はどちらも共通しています。
ITコンサルは自ら課題解決の実行まで行う点が大きな違いとなっています。
労働時間・給料の違い
給料と労働時間の面でも、ITコンサルと営業では違いがあります。
もちろん会社にもよりますが、一般的にITコンサルの方が労働時間が長い傾向があります。
ITコンサルはプロジェクトの締め切りや顧客の急な依頼に応えるため、残業や休日出勤が発生しやすいです。
ただし、営業職の中でも特に成果主義で評価が行われる企業では、営業目標達成のために長時間働くことも少なくありません。
給料面については、ITコンサルの方が高年収なことが多いです。
これは専門的な知識やスキルが求められることや、案件の利益率が高いことが理由となっています。
ITコンサルは給料の高さと引き換えに長時間労働やプレッシャーも大きい傾向があるため、どちらの方が良いとは一概には言えません。
ITコンサル・営業に向いている人は?
ITコンサルと営業は似ているようで、性質が異なる職業です。
自分の性格や強み、理想のキャリアを踏まえて最も向いている職業を選ぶことが重要です。
ITコンサルと営業、それぞれに向いている人の特徴について解説します。
ITコンサルに向いている人
ITコンサルに向いている人の主な特徴は以下です。
- 論理的思考力が高い
- 主体的に行動を起こせる
- お客様と一緒に取り組むのが好き
特に論理的思考力はとても重要です。
例えば、ビッグデータの分析を行うITコンサルは、膨大なデータの中から有益な情報を見つけ出す必要があります。
このような際も各データが意味する内容を論理的に分析し、答えを導く必要があります。
中には「ITコンサルにはプログラミング能力が必要ではないか?」と考える人もいるかと思います。
実際には、ITコンサルが直接プログラミングを行うケースは稀です。
なので、プログラミングができなくてもITコンサルにはなれます。
営業に向いている人
営業に向いている人の主な特徴は以下です。
- コミュニケーション能力が高い
- 顧客折衝が得意
- 自社製品に愛着を持てる
特にコミュニケーション能力は重要です。
理由は、顧客との関係構築が営業活動の成功のカギを握るからです。
例えば、顧客が何に悩んでいるのかを正確に把握し、それに対して適切な解決策を提案する必要があります。
また顧客の反応やニーズは日々変化するため、それに迅速に対応する柔軟性も不可欠です。
このように人とのコミュニケーションを楽しめ、状況を即座に判断できる人が営業に向いていると言えます。
自分はITコンサルと営業のどちらに向いている?
自分の能力や性格を自己分析し、どちらの方が向いているか検討してみましょう。
また、より簡単に判断する方法があります。
それは自分自身で直接、顧客の課題解決を行いたいかどうかです。
営業であれば、基本的には自社製品の提案を行うところまでが仕事です。
一方、ITコンサルであればその後の課題解決支援にも直接携わります。
自分がどこまで関わりたいか。
一度検討してみましょう。
ITコンサルとして活躍する方法
ITコンサルとして活躍するためには、以下がポイントになります
- 汎用スキルの習得
- 最新技術のキャッチアップ
- 仕事への主体性
汎用スキルの習得
ITコンサルとして活躍するためには、以下のような汎用スキルが求められます。
- リサーチ力
- 分析力
- プレゼン力
これらのスキルは、どのようなプロジェクトでも不可欠です。
例えば、新しいIT技術を用いて業務改善を行うとします。
まずは最新のIT技術動向をリサーチし、それが顧客の業務にどのような影響をもたらすか分析します。
そして分析結果をわかりやすく、説得力がある内容にまとめ、顧客にプレゼン必要があります。
このようにいくら専門的な知識を有していたとしても、このような汎用スキルがなければプロジェクトを成功に導くことはできないのです。
最新技術のキャッチアップ
ITコンサルとして成功するには、最新技術のキャッチアップが不可欠です。
例えば、クラウドサービス、AI技術、サイバーセキュリティなど。
IT技術は日々進化しています。
これらの最新技術を把握することは、顧客の抱える課題を解決し、ビジネスを成長へと導くために欠かせません。
最新技術のキャッチアップには、労力がかかります。
なので、専門誌を定期購読したり、セミナーに参加するなど、日々効率的に情報収集することが重要です。
仕事への主体性
仕事を主体的に進められることは、ITコンサルとして成功するために必須です。
上司からの指示を待つのではなく、自ら課題を見つけ、解決策を提案し、実行に移すことが求められます。
例えば、最新動向を自ら積極的に調査し、得られた情報をプロジェクトメンバーに共有するのも良いでしょう。
そのほかにも顧客が抱える課題から目を背けず、自分にできることを日々模索することが重要です。
初めは慣れない部分もあるかもしれません。
ただ、そのような主体性を持つことで初めて自分のキャリアが形成され、顧客や職場に貢献することができるのです。
ITコンサルと営業に関するよくある質問
ITコンサルと営業に関するよくある質問にお答えします。
営業職からITコンサルへの転職は可能?
営業職からITコンサルへの転職は可能です。
理由は、営業職で培った顧客折衝力やコミュニケーション力が、ITコンサルとしても役立つからです。例えば、顧客ニーズの把握やクライアントとの信頼関係の構築は、ITコンサルの仕事でも非常に重要です。営業の経験者はこれらのスキルに長けているため、プラスアルファでIT知識を習得することで、ほかの未経験者に比べてスムーズにコンサル業務に対応できます。
未経験からでもITコンサルになれる?
未経験者でもITコンサルにはなれます。
理由は、多くの企業がコンサル特有の専門スキルよりも汎用スキルやポテンシャルを重視しているからです。例えば、問題解決能力やコミュニケーションスキル、新しいトレンドの学習意欲などが評価されます。そのため、これらの能力や特性を有していれば、未経験からでも十分に転職は可能なのです。
まとめ:ITコンサルと営業の違いを理解して転職しよう
本記事ではITコンサルと営業の違い、それぞれに求められるスキルや資質について解説しました。
ITコンサルと営業は、共通点は多いものの、違いがあります。
自分のキャリアを踏まえ、どちらの職種がより適しているか、ぜひ今一度考えてみてください。
僕が完全未経験からITコンサルに転職した方法について、以下の記事で解説しています。
参考:27歳未経験でメーカーからコンサルに転職した方法【実体験】