「コンサルはなぜ高級派遣と言われるの?」、「そうならないにはどうすればいい?」
コンサル業界に興味を持っている人は多いと思います。
高いスキルを発揮し、顧客の経営判断に貢献するコンサル。
一方で一部の人からは、「高級派遣」と揶揄されることもあります。
高級派遣とは、高い報酬を受け取って派遣社員と同じ働きをしていることを指します。
要は報酬に見合った働きをしていないということ。
本記事では、高給派遣になってしまう人とそうでない人の違いについて解説します。
僕自身、27歳の時に完全未経験でコンサルに転職しました。その時の実体験は以下の記事で解説しています。
参考:中途でコンサルは辛い?【27歳でコンサルになった僕が解説】
高級派遣になるコンサル
高級派遣と呼ばれてしまうコンサルの特徴は以下です。
- 常駐勤務
- 顧客の代替作業が中心
- 依頼内容に忠実に従う
常駐勤務
高級派遣と呼ばれるコンサルは、基本的に常駐型で働いています。
顧客企業に常駐し、日々の業務のお困りごとをサポートします。
いわゆる派遣契約ですが、一般的な派遣社員よりも報酬は何倍にもなります。
そのため、それなりの付加価値を出す必要があります。
顧客の代替作業が中心
顧客の代替作業が中心になると、高級派遣と呼ばれてしまう傾向があります。
顧客企業の人材不足、または自分達で行うのが面倒な作業を代わりに行う。
例えば、データ入力、書類作成、調査報告などが挙げられます。
これらの作業は、特別な専門知識やスキルを必要としないことが多いです。
コンサルが受け取っている報酬と照らすと付加価値が低い作業と言えます。
「作業員」的なタスクが増えると徐々にコンサルとしての存在意義がなくなっていってしまいます。
依頼内容に忠実に従う
依頼内容に忠実に従うことは重要です。
一方で本来コンサルは自ら課題を発見し、企業のためになる提案を行うのが仕事です。
専門知識に基づく、顧客では思いつかない提案ができないと、徐々にコンサルの本来の役割から遠ざかることになります。
例えば、データ分析を行うよう依頼されたとします。
単に指示された通りにデータを整理し、報告書を作成するだけでは、コンサルとしての付加価値が出せません。
顧客が期待するのは、分析結果に基づいた戦略的な提案や、潜在的な課題の発見です。
顧客の潜在ニーズを把握した上で、それを超えた提案や解決策を提供するよう心がけましょう。
高級派遣にならないコンサル
高級派遣にならないコンサルの特徴は以下です。
- 上流工程支援が中心
- 顧客にない専門性の発揮
- 提案型で支援
上流工程支援が中心
上流工程の支援が行えるコンサルは貴重です。
上流工程とは、例えば戦略策定やそのための市場調査を指します。
例えば新規市場進出を検討している企業に対し、市場の需要や競合の状況を調査します。
そしてその結果を基に戦略を立案し、実行をサポートします。
こうした仕事は極めて複雑で高度なスキルを必要とします。
そのため、常駐型のいわゆる高級派遣コンサルとは一線を画すのです。
顧客にない専門性の発揮
高級派遣にならないためには、顧客が持っていない専門性を発揮することが求められます。
具体的には、海外の市場動向把握などもその1つです。
国内の企業では、海外の最新トレンドや法規制の変化を即座にキャッチするのは難しいです。
一方で、コンサルはグローバルな視点や海外拠点のネットワークを活用して最新の情報を把握しています。
そのほかにもITの専門スキルなどが挙げられます。
顧客企業では、最先端のIT人材を社内で確保することが難しい場合があります。
最新技術に精通しているITコンサルを活用することで、世の中に遅れを取らないサービスの開発が可能になります。
顧客が持っていない専門スキルを発揮することで、コンサルは高級派遣にならず、価値ある存在になることができるのです。
提案型で支援
顧客の状況に応じて支援内容を提案しながら進めることが、高級派遣にならないポイントです。
こうすることで、顧客に対して高い付加価値を提供することができます。
例えば、顧客から市場調査を依頼された場合、ただデータをまとめるだけではなく、得られたデータから具体的な戦略を立案します。
顧客では思いつかない新たな視点を提供することが重要です。
提案型で支援を行うにはそれなりのスキルと経験が求められます。
なので周りの同僚と協力しながら、効率的に支援を行いましょう。
高級派遣コンサルのメリットとデメリット
高級派遣は悪い意味で使われることが多いですが、常駐型コンサルにはメリットもあります。
主なメリットとデメリットをご紹介します。
メリット | デメリット |
---|---|
プロジェクトの報酬が高い 顧客に寄り添った対応が可能 | 複数プロジェクトを経験できない 比較的スキルアップしづらい |
メリット
常駐型の高級派遣コンサルのメリットの1つとして、プロジェクト報酬が高いことが挙げられます。
発注者と長期的な契約を結ぶため、単発の支援案件と比べて継続的な利益が期待できます。
また客先のオフィスに常にいることで、顧客のお困りごとに即座に気づき、サポートすることができます。
例えば上司の説得に苦労しているのを目にした場合、気が利いた説明用資料をさっと作ってあげることもできるでしょう。
このように自社にとっても、顧客にとってもメリットがあります。
デメリット
常駐型の高級派遣コンサルは、特に個人のキャリア形成の観点でデメリットがあります。
具体的には、常駐することで他のプロジェクトに関われなくなります。
コンサルは様々なプロジェクトを経験することで引き出しが多くなり、顧客に価値提供が行えます。
その点、常駐型のプロジェクトに携わっているとその期間は単一のプロジェクトでしか経験が積めません。
その分深く、顧客や業界のことを知れるというメリットはありますが、実際に働いているコンサルの多くはこの点を不満に感じます。
実際、複数のプロジェクトを通じて多様なスキルを身につけるような働き方はできないため、自分の長期的なキャリアとあわせて考える必要があります。
高級派遣コンサルに関するよくある質問
高級派遣コンサルに関するよくある質問に回答します。
コンサルが御用聞きと言われるのはなぜ?
コンサルが御用聞きと言われるのは、「顧客の要求に応えること」が仕事の中心だからです。
顧客からの要求の中には、簡単なデータ集計や議事録の作成など単純な作業も含まれます。そのため、一部の人からは御用聞きと揶揄されるのです。実際にはコンサルならではのスキルと経験に基づく、高度な作業も多く含まれます。
常駐型コンサルはつまらない?
この点は人によります。ただ現実問題として、常駐型コンサルはつまらないと感じる人もいます。つまらないと感じる理由は、業務が単調になりがちだからです。常に顧客のオフィスで働き、定められたタスクをこなすことも多く、変化の少ない日常になるケースもあります。
高級派遣コンサルのその後のキャリアパスは?
高級派遣コンサルにもキャリアパスがあります。
例えば、IT関連のプロジェクトにおける常駐経験があれば、システムの運用や保守のノウハウが身に付きます。これの経験は、将来的に独立してフリーランスとして働く場合にも強い武器になります。
「常駐型さとキャリアの幅が狭くなる」との意見もありますが、必ずしもそうではないため、あまり気にしすぎる必要はありません。
まとめ:高級派遣コンサルになってよいか事前検討すべし
本記事では、コンサルが高級派遣になるケースとならないケースやメリット・デメリットについて解説しました。
コンサルには様々な働き方があり、それぞれに特徴があります。
どのような働き方が理想か一度検討いただき、ぜひコンサルへの転職も選択肢に入れていただければと思います。
27歳の時にメーカーからコンサルに転職した僕の実体験について以下の記事で解説しています。
参考:27歳未経験でメーカーからコンサルに転職した方法【実体験】