「シンクタンクって何?」、「コンサルとどう違うの?」
シンクタンクは、政策提言や企業のコンサルティングなどを行う職業です。
ただ実際の働きぶりなど、いまいちイメージできない人もいるのではないでしょうか?
また最近ではコンサルとの違いも曖昧になりつつあります。
本記事で詳しく解説します。
僕自身、27歳の時にシンクタンク寄りのコンサル会社に転職しました。当時の実体験を以下の記事で公開しています。
参考:コンサルの中途は辛い?【27歳でコンサルになった僕が解説】
シンクタンクとは何か簡単に解説
シンクタンクについて以下を解説します。
- シンクタンクの意味
- シンクタンクの役割
- コンサルとの違い
シンクタンクの意味
シンクタンクの定義は、以下とされています。
シンクタンク:種々の分野の専門家を集め、国の政策決定や企業戦略の基礎研究、コンサルティングサービス、システム開発などを行う組織。(コトバンク)
直訳すると「頭脳集団」。
社会や経済、政治など、幅広い分野の調査分析を行う機関を指します。
シンクタンクの役割
シンクタンクは、さまざまな社会課題の解決に貢献しています。
具体的には国の政策立案をサポートしたり、社会の未来を見据えた分析を行ったりします。
専門的な知識を活かして問題を解決する点が特徴です。
シンクタンクは幅広い視野を持ち、新しい視点を提供し続けることが求められています。
例えば、環境問題に関する調査を行い、政府や民間企業が取るべき対策を提言することもあります。
その他にもシンクタンクが世の中に発信する調査レポートは、政府・民間問わず議論を巻き起こし、社会の発展に貢献します。
このようにシンクタンクは社会や企業に影響を与える仕事だと言えます。
コンサルとの違い
シンクタンクと似た職業に「コンサル」があります。
コンサルの定義は以下の通りです。
コンサルタント:企業経営などについて相談を受け、診断・助言・指導を行うことを職業としている専門家。
結論として、最近ではシンクタンクとコンサルの違いが曖昧になってきています。
どちらも民間企業にアドバイスを行いますし、大手コンサル会社がシンクタンク部門を設けているケースがあります。
強いていうなら、シンクタンクの方が公共性を重視し、政府や自治体、国民全体に向けた仕事を行う傾向があります。
これに対してコンサルは、企業の経営や業務改善といった民間の課題解決をサポートします。
ただし両者の違いは年々なくなってきているため、意識しすぎる必要はないでしょう。
シンクタンクの業務内容を簡単に解説
シンクタンクの主な業務として以下が挙げられます。
- 世の中の動向分析
- 政策提言
- 企業のコンサルティング
世の中の動向分析
シンクタンクの重要な業務の1つに、世の中の動向分析があります。
様々な調査を行い、その結果を広く社会に発信する。
これはシンクタンクの大きな使命です。
具体的には、国内の経済動向やIT技術の進展状況に関するレポートなどが挙げられます。
このような動向分析は政府の発注で行う場合もあれば、自社の独自活動として行われる場合もあります。
深く掘り下げられた調査レポートは様々な企業で活用され、社会に大きな影響を与えます。
このようにしてシンクタンクは社会に貢献しているのです。
政策提言
調査結果をもとに、政府や省庁に向けた具体的な政策を提案することを、政策提言と言います。
これらの提言は国の方針に大きな影響を与えます。
シンクタンクは専門的な知識と独自の調査力を用いて様々な視点から課題を分析し、具体的な提言を行います。
例えば、人口減少の問題を解決するために国内外の最新データを分析し、効果的な対策を提言します。
「シンクタンクの提言は実現されない」という意見も一部あります。
しかし、実際には多くの提言が政策に反映され、予算が確保され、日本全体の経済活動が行われているのです。
企業のコンサルティング
シンクタンクは企業のコンサルティングを行うことも少なくありません。
複雑な市場分析や将来予測を通じて、企業の経営戦略の立案をサポートします。
例えば、ある企業が海外市場への進出を目指しているとします。
そんなときシンクタンクは、その市場の動向やリスクを詳細に分析し、企業が取るべきアクションを明らかにします。
シンクタンクの中立的な評価が経営の意思決定を後押しするのです。
シンクタンクの魅力
シンクタンクとして働く魅力は以下です。
- 影響力のある仕事に関われる
- スキルアップできる
- 転職で有利になる
影響力のある仕事に関われる
シンクタンクの仕事は社会に大きな影響を与えます。
特に政策提言は、国の方針に直接的に貢献します。
例えば、シンクタンクが作成した環境問題の調査レポートに基づき、国のエネルギー政策が決まるといったことも少なくありません。
このように国の発展に貢献できる職業はなかなかなく、やりがいを感じる人も多いです。
スキルアップできる
シンクタンクはスキルアップしやすい仕事の1つです。
具体的には、調査力や分析力、提案力などが身に付きます。
シンクタンクの仕事では日々さまざまなデータを収集し、分析します。
そのため、データ分析やそれに基づく論理的思考力が向上します。
また得られるスキルや経験は汎用性が高く、さまざまな分野や職業で活用できるため、キャリアアップにもつながります。
転職で有利になる
シンクタンク出身者は転職で強いです。
高いスキルがあるのに加え、社会的インパクトがある経験を多く積めるため、面接でもアピールしやすいからです。
「シンクタンクで習得できるスキルは他業界でも得られる」と言う意見もあります。
ただ実際には、シンクタンクほど高いレベルで専門性と柔軟性を同時に養える仕事はそうそうありません。
このように、シンクタンクでの経験は多くの企業で活かせるため、転職時に大きな武器となるのです。
シンクタンクに関するよくある質問
シンクタンクについて寄せられる質問の中で、特に多いものに回答しました。
シンクタンクの大手企業は?
日本総合研究所、野村総合研究所、三菱総合研究所、三菱UFJリサーチ&コンサルティング、みずほリサーチ&テクノロジーズの5社を総称して、5大シンクタンクと呼ばれることがあります。
シンクタンクに向いてる人は?
好奇心旺盛で物事を極めるのが好きな人は向いていると言えます。シンクタンクの仕事では様々な情報を深く掘り下げ、分析する必要があります。そのため、課題を理解し、新しい知識を吸収する意欲が大切です。したがって、好奇心と探究心を持った人にとってシンクタンクは非常に魅力的な仕事と言えるでしょう。
シンクタンクの年収やキャリアパスは?
年収は経験や企業の規模によって大きく異なります。一例として、有名なシンクタンクのシニアコンサルタントは、年収が約800万円から1500万円程度と言われています。またシンクタンクのキャリアは多様で、他業界に転職する人もいれば、大学の教授になる人などもいます。
まとめ:シンクタンクとは影響力のある魅力的な職業
本記事では、シンクタンクの役割や業務内容、魅力などについて解説しました。
シンクタンクには向き不向きもありますが、政策提言等を通じて社会に大きな影響を与えることができる職業です。
興味が出た方は、ぜひキャリアの一つとして検討いただければと思います。
僕が27歳の時に完全未経験でシンクタンク寄りのコンサルに転職した方法は以下の記事で解説しています。
参考:27歳未経験でメーカーからコンサルに転職した方法【実体験】