「コンサルって結局、意味ないんじゃない?」、「やってることが見えなくて怪しい…」
そんな印象を持つ人も少なくありません。
確かに、コンサルティング業界は実体が見えにくく、多くの誤解や疑念を抱かせることがあります。
そのためしばしば「コンサルは虚業だ」と言われることも。
本記事では、なぜそのようなイメージが生まれるのか、そして実際にコンサルが果たす役割について詳しく解説します。
僕自身27歳の時にコンサルに転職しました。コンサルの実態については以下の記事で解説しています。
参考:中途でコンサルは辛い?【27歳でコンサルになった僕が解説】
コンサルは意味ない虚業と言われる理由
意味がない、虚業と言われる主な理由は以下です。
- 何をやってるか分からない
- 机上の空論を繰り広げてる印象
- 実益につながっていない印象
何をやってるか分からない
多くの人にとって、コンサルは「何をやってるか分からない職業」です。
アドバイスする人ってイメージだけど、実態は不明。
そんな感じです。
そのような曖昧さがコンサルの価値を分かりづらくしています。
実際には企業の経営判断や現場改善など、具体的な貢献をしています。
ただ、いわゆるBtoCのような一般の人に見えるビジネスではないので、正しく認知されていないのが実態です。
参考:コンサルが胡散臭いと言われる3つの理由【コンサルはいらない?】
机上の空論を繰り広げてる印象
コンサルというと、頭でっかちでアドバイスだけする人というイメージもあります。
小難しい言葉や理論を並べ立て、大して役にも立たない机上の空論を繰り広げる。
そんなイメージを持っている人も多いかと思います。
実際には現場の具体的な改善なども伴走支援することがありますが、世間には伝わっていません。
実益につながっていない印象
コンサルのアドバイスは実益につながっていないという印象を持たれることがあります。
これにはいくつか理由があります。
多くの場合、コンサルの成果が効果として表れるのには時間がかかります。
例えば、新しい新規事業アイデアや組織改革のためのアドバイスを行なったとします。
この時、新規事業を立ち上げたり、組織を実際に変えて効果が出るまでには少なくとも1年以上かかります。
そして時間の経過とともに元々コンサルのアイデアだったことが忘れ去られ、成果として評価されづらくなってしまうのです。
コンサルは意味ないは本当?役立っている理由
コンサルが意味ないというのは、実態としては誤りだと言えます。
事実、コンサルニーズは年々高まっており、企業がコンサルの支援を求めているからです。
コンサルが実際に役立っていることを示す主な根拠は以下です。
- VUCA時代の到来によるニーズの高まり
- DX対応によるコンサルニーズの高まり
- 実行支援まで行うコンサルの増加
VUCA時代の到来によるニーズの高まり
コンサルのニーズが高まっている一因として、VUCA時代の到来が挙げられます。
VUCAとは、変動性(Volatility)、不確実性(Uncertainty)、複雑性(Complexity)、曖昧性(Ambiguity)の頭文字を取ったもので、現代の激動のビジネス環境を象徴する言葉です。
VUCA時代では、今までのビジネスモデルが通用しなくなることがあります。
そして企業は急速な変化に対応するため、新たな視点や戦略が求められます。
こんな時にコンサルを頼るのです。
最新トレンドと多様な業界知見を持ち合わせたコンサルは、市場に合った戦略立案や、新たな技術導入のサポートなどを行います。
「自社で解決できないの?」という声もありますが、多くの場合、知識が足りなかったり、人材リソースが足りなかったりするため、実現は難しい。
なので、コンサルを頼るのです。
DX対応によるニーズの高まり
近年、どの企業でもDX(デジタルトランスフォーメーション)の重要性が叫ばれています。
DXとは、企業がデジタル技術を駆使してビジネスモデルを変革するプロセスです。
従来のITと異なるのは、ITで効率化するだけでなく、ビジネスの根幹から変革する点です。
このような変革を成功させるには、ITとビジネス、両方の専門知識が必要です。
ただ多くの企業においてこのような人材は希少であり、ほぼいません。
そのため、両方の知識を有するコンサルへの需要が高まっているのです。
このような傾向は今後ますます加速すると思われます。
実行支援まで行うコンサルの増加
誤解している人も多いですが、最近のコンサルは現場での実行支援まで行うケースが増えています。
これにより、企業はコンサルの提案を実際の業務に反映しやすくなります。
コンサルとしても、提案にとどまることなく、具体的な実行までサポートされることで提供価値を高めようとしているのです。
例えば、新しいITシステムの導入を支援する場合は、システムの選定から導入プロセスの調整、さらには導入後の利用者のトレーニングまでを一貫してサポートします。
「コンサルは意味ない」と主張する人の多くはこのような実態を知らないのです。
コンサルの適切な活用法
コンサルを効果的に活用するには、以下のポイントを押さえましょう。
- 目的を明確にしてから発注する
- 自社でできないことを発注する
- 良いコンサルを見極める
目的を明確にしてから発注する
コンサルに仕事を依頼する際、最も重要なのは「目的」を明確にすることです。
目的が定まっていないと、得られる成果のレベルも下がります。
例えば、ある企業が「売上を伸ばしたい」という漠然とした目的でコンサルを雇うとします。
このような場合、コンサルからはさまざまなパターンの広く浅い戦略が出てきてしまい、成果が得られづらいです。
そのため、例えば「顧客の集客を強化して売り上げを伸ばしたい」など、もう少し目的を具体化してから発注する必要があります。
目的をしっかり設定しておかないと、せっかくのコンサルの力も発揮されにくくなってしまいます。
自社でできないことを発注する
コンサルの発注価格は高いです。
そのため、自社でもできることを発注するのはもったいないです。
人が足りないからという理由だけで発注する、いわば「高級派遣」のような使い方はおすすめしません。
例えば、DXの推進や海外動向の調査など、自社では経験不足で実現が難しい仕事を発注しましょう。
そうすることで、発注価格に見合った成果を得ることができます。
参考:高級派遣になるコンサル・ならないコンサル【違いを解説】
良いコンサルを見極める
良いコンサルを見極めるためには、いくつかポイントがあります。
- 実績・評判
- 専門知識と経験
- コミュニケーション力
まずは実績を確認しましょう。
大手企業との取引実績や実際の成功事例を確認することで、そのコンサルの実力が判断できます。
次に専門知識と経験も重要です。
経営戦略・IT・業務改善など、どの分野に強いのか確認し、自社のニーズとマッチしているか検討します。
最後はコミュニケーション力です。
いくら能力の高いコンサルでも、適切なコミュニケーションを取れなかったらうまくいきません。
この点は相性もあるので、実際の会話の中で見定めていくのが重要です。
「コンサルは意味ない?虚業?」と考える人のよくある質問
よくある質問にお答えします。
- コンサルは成長産業?
- コンサルは中身がない?
- コンサルへの転職はあり?
コンサルは成長産業?
コンサルティング業界は成長産業です。競争環境の複雑化に伴い、コンサルへのニーズは高まり続けています。また生成AIなど、新たな技術が出てくるたびにその導入に関するコンサル案件が生じるため、今後も伸び続ける業界だと考えられます。
コンサルは中身がない?
コンサルは「中身がない」と批判されることがあります。これは本文中でも述べたとおり、実態が見えづらいことに起因する勘違いです。実際には多くの企業の役に立っている、中身のある仕事だと言えます。
コンサルへの転職はあり?
個人の特性によりますが、転職先としては魅力的な職業の1つだと考えられます。年収が高く、個人の成長機会もあるため、やる気がある人にはおすすめの業界です。
まとめ:「コンサルは意味ない虚業」は誤り
本記事では、コンサルが意味ない虚業と言われる理由や、実際に役立っている理由、また適切な活用法について解説しました。
コンサルという仕事に対しては多くの誤解もありますが、実際には意義のある仕事です。
転職を考えている人はぜひ候補の1つに入れていただければと思います。
実際に僕が27歳の時に完全未経験でコンサルに転職した方法は以下の記事で解説しています。
参考:27歳未経験でメーカーからコンサルに転職した方法【実体験】